セミレストアの参考例


右手にハンディがある場合 
  改造車両:Kawasaki Zephyr750


<アクセルホルダー&ケーブル>
カワサキ250TR用を左側に設置。これは無加工で取付可能です。
ケ-ス,スロットル ケ-ブル 32099-1193
グリップアッシ,スロットル 46019-1058
ケ-ブル(スロットル)    54012-1655


<フロントブレーキ>
本来、リアの補助ブレーキとしてベビーフェイスより販売されている「サムブレーキ」を使用。ただし、シングルディスク用なので、ダブルディスク用として使用するにはマスターのピストン径を5/8に変更しなくてはならなかった。今回は「ホリ製作所」の協力を得て加工ができました。
   


<左側ハンドルスイッチ>
武川製のモンキー用を使用(後日ホンダNSR用と同じことが判明)。
ノーマルのスイッチでは、サムブレーキと干渉してしまうことや、左側にスイッチが集中した物が 必要だったので他車流用を考えました。そこで大型バイクショップを回り捜索したのですが、なかなか思う品物がありませんでした。途方にくれてファミリーユサ(九州最大のバイク用品店)に行き店内を見てまわったところ、武川製が理想形であることが判明し購入。ただし、配線がZepとはまったく違うために、全ての配線をZepメインハーネスに合うように加工が必要です。         


<ハンドルバー>
Zパーツ製のスーパーバイク用を使用。
左側にアクセル・ブレーキ・クラッチと設置することから、バーの直線部が長い物が必要になりました。これもなかなか見つかりませんでしたが、ファミリーーユサの協力によりベストなハンドルを選ぶことができました。またノーマルクランプではブレーキがタンクに干渉しますのでアップタイプの物に交換しました。 


<ブレーキスイッチ>
プロト リキッドプレッシャースイッチを使用。
サムブレーキにスイッチがないことや、ホースをマスターから2本出しにしたことから必要になりました。


その他の装置についてはノーマルでOKです。また、これ以外にも改造方法がありますので、詳しくは下記のHPをご覧下さい。ガレージレフティもこちらのHPを参考とさせていただきました。
日本障害者ライダーズ協会

<日本初 片腕ライダーのいる店>
岐阜県の福井さんが経営する専門ショップ
オートガレージFNYインターナショナル
 


車検について
陸運局に尋ねたところ、寸法(幅・高さ・長さ)や重量の変更がなければ、アクセルやブレーキの移動を行っても構造変更手続きは不要とのことです。ただし、制動力や取付方法については確認されます。

免許について
これまでは、身体に障害がある人についてはバイクの免許取得はできませんでしたが、「そりゃおかしかろうも。乗れるんやったら免許をもらえるはずじゃなかですか!」と言う意見が増えたことから、平成16年に法改正が行われ「障害があってもバイクに乗れるのであれば免許は交付しますよ」に変わりました。いわゆる規制緩和ですね。      


今回の改造にあたって
このZepについては多くの方々の協力により完成しました。
仕事中の事故により突然右手首を失い、失意のどん底にあったオーナーを救ったのは病院に勤務をしていた友人でした。その友人が「日本障害者ライダーズ協会」というHPを見つけ、バイクに乗れる可能性があることを伝えたことから生きる希望が湧いたと言っても過言ではないと思います。そんな友人の熱意やオーナーの希望を感じ、この仕事を引き受けました。

まず、事故前に所有していたバイク(Z
1000-1)を改造して乗るには無理があると考え練習用にZep750を選びオークションにて落札。改造には日本障害者ライダーズ協会HP掲載の「右手に障害がある人の改造例」を参考させていただきました。
改造パーツについては、車種が違うためにすべてが手探り状態ではありましたが、時間をかけなんとかクリアーできました。
また、予算を抑えるために車両をオークションで手に入れたことから、いくつかの部品交換が必要でした。そのことを全国にいる友人知人に話をしたところ、数人の方から快く部品を提供してくれました。
また、今回の改造費用その他については、オーナーが所属するバイククラブ会長の呼びかけにより、メンバー全員からのカンパにより支払っていただきました。

こんな話も・・・
購入した車両のリアキャリパーが終わっており、ガレージレフティでも探してみたがなかなか良い物が見つからず途方にくれていたところ、オーナーの怪我を聞きつけた北海道の友人から提供の申し出がありました。早速送ってもらったのですが届いたキャリパーはZep用ではなかったことから使用できませんでした。それを気にした友人は、中古パーツ店での捜索や友人知人への問合せと、ありとあらゆる手を使って探し出してくれました。おかげでリアキャリパーの問題もクリアーできました。

今回は免許の取得ではなく更新だったのですが、福岡県では前例がないことから時間がかかりました。事前手続きではオーナーに同行し、改造方法や教習予定を提示して更新がスムーズにいくように配慮しました。それが効いたのか当初「スクーターやトライクに乗ったらどう?」とおっしゃっていた試験官も、大型二輪免許更新に前向きな姿勢で取り組んで頂き無事に更新することができました。試験官や公安委員会に感謝です。


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